リトミック「リズム・音楽・教育」ダルクローズの言葉

リトミックとソルフェージュ・・・・

今、部活動や、音楽授業の現場で、少しずつ、指導者の関心を集めている分野です。

エミール・ジャック=ダルクローズ (1865年7月6日 - 1950年7月1日)はウィーン出身のスイスの作曲家・音楽教育家。
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運動を通じて音楽を学び経験するという、音楽学習の方法論の一つであるリトミック(仏rythmique)を発展させました。
その影響は、「オルフの教育音楽」の理念にも及んでいます。

ダルクローズ理論は、「動きを通じて音楽の諸概念を教える」という理論です。
ジュネーヴ音楽院に勤務中にその理念と実践理論を構築・展開しました。

1915年、ジュネーヴにジャック=ダルクローズ・インスティテュートを開校(その後ブリュッセルにも分校を設置)。
1925年ごろにドイツの音楽学校で、音楽教育の実践的理論としてダルクローズ理論が採用されたのを機に、リトミックが世界的に普及することとなりました。

日本では1909年ごろ、リトミックと言う概念が入ってきたと言われています。

作曲家である山田耕筰は、ドイツでリトミックを見学し、音楽と舞踊の融合による芸術表現に意欲を燃やし、日本にテキストを持ち帰りました。

1925年には、成城学園と玉川学園において児童にリトミックが開始されました。
その後、板野平氏によって、国立音楽大学と付属各学校でリトミック教育を普及させました。

エミール・ジャック・ダルクローズ著
リズム・音楽・教育
河口眞朱美訳 2009年版
開成出版 3780円(税込)


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教科書や、現在のリトミック教育者の言葉ではなく、創始者の「ことば」が、たくさん入っている本です。

■序文より 1919年

ジュネーブのコンセルヴァトワールで、私が初めて和声学の教授として教育に携わったのは25年前のことである。(1894年頃)

最初の授業で気づいたのは、将来和声学を身につけようとする者が、音を書きとる課題で、和音を聴き取れない、と言うことだった。

学生に比べ、幼い子どもの場合は、自然的な方法でごく自然に分析をする。
そこで私は、もっと柔軟な年齢の時期から、生徒の聴覚を教育することにしたのである。

だが聴覚がそれなりに発達した生徒も、規則正しく拍子をとることは出来ても、不規則な音の連続に対してはリズムが取れない者もいた。
知的に拍の変化を知覚できても、発声器官がそれを再現できないのだ。

音楽における動きや、ダイナミックな性質は、他の感覚、触覚にもかかわっている。
足を踏み鳴らすこと、胴体や頭部の振動、心的な身震いなどが大切であることに気が付いた。

したがって私は、生徒たちに、歩いたり、止まったりする練習をさせ、身体でリズムを聴取し、反応することに慣れさせることにした。

これが「リトミック」の始まりである。

■音楽音楽教育について
~今日、学校で音楽の時間が週1時間に限定すべきだと主張するなら、「それならいっそ、カリキュラムから音楽を完全に削除してしまいなさい」と、答えよう。
あらゆるものに時間が必要であり、他の練習と同じく、音楽もまたそうである。

教育は、はるか彼方、思考力と判断力を付けるところに射程を置くべきである。
そして、未来の世代へと伝えて行かなければならない。

現行の音楽は、音を再生することを目的にした反射的、機械的な練習を意味している。
ただの物真似でしかないそうした練習の最終目的は、単なる習慣的な技術を子どもの頭に詰め込むことである。

たいていの学校では、本当の音楽を教えることなく、そのふり、だけして済ませている。
神経の衰弱したこの時代には、経済的成功のために、消耗されるだけである。

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20世紀初頭に、こうしたリズムとソルフェージュの大切さ。
音楽教育の問題点を痛烈に指摘している、ということは、大変興味深いことです。

時代背景が異なるとはいえ、現在の音楽教育にも、十分にあてはまることだと思えるからです。

本書ではこの他にも、「音楽教育」「リトミック」「ソルフェージュ」を実践するうえで、大切に手順を細かく示唆しています。

自分の娘が、楽器(ピアノ)の技術が優れていると自慢する父親に、痛烈なやりとりで、「それは本当に優れていると言えるのですか」と、会話している部分があります。
・・・・実際のところ、まるで、自分の生育期の中での音楽教育に対して言われているようで、とてもリアルでした。

一貫して「聴く力」の重要性を述べています。

ダルクローズ理論が、現在でもなお、支持されるゆえんであると、感じました。

改めて、自分が受けてきた音楽教育の良い面、そうでない面。
教師として、心しておかなければならないことについて、学ぶことが出来ました。

いくつかの論文を新しい翻訳で出された本書。
研究者でなくとも、ひとつの「知識」として、手にとってみてはいかがでしょうか。

■お買い求めはこちらからも出来ます。
また全国の図書館には、必ずあると思います。


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ogatamayumi

Author:ogatamayumi
緒形まゆみブログへようこそ!

東京都出身。元、公立中学校教員。
現在は、フリーとして、音楽教育や吹奏楽に関わっています。
このブログを通じて、音楽や教育、吹奏楽やその他、心に感じた事柄をみなさまにお伝えできればと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

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