部活の外部指導者を学校職員へ中教審答申

教育課程外の「部活動」
世界的に見ても、特殊なこの日本の「しくみ」・・・・

近年、様々な問題提起がなされています。

教師は、「顧問」として、専門性のあるなしに関わらず、子どもたちの部活動指導にあたります。
顧問は、技術指導だけなく、生活指導、引率、運営、活動費と、あらゆることに、責任を負います。

運動系、文科系問わず、現場では奮闘中の先生方が大勢いらっしゃいます。
部活動の「技術的」サポートを行うのが、「外部指導者」です。

昨年末、中教審がひとつの答申を出しました。

部活の外部指導者、学校職員へ 中教審答申
2015年12月

この答申は、部活動といっても、吹奏楽、音楽など文科系部活動より、スポーツの分野のことです。

また今回の答申は、「教員の引率負担の軽減」
つまり、「技術指導」だけの外部指導者を、教員と同じく「引率」もできる立場にするべきと言うものです。

「外部指導者」の問題は、音楽系部活動においても、重要な未来を含んでいると思います。

(2015年12月22日朝日新聞)

中央教育審議会(中教審)は2015年12月21日、専門知識を持つ人や地域の人たちと協力する「チーム学校」について、馳浩・文部科学相に答申した。

部活動を支援する「部活動指導員(仮称)」の制度化や、福祉の専門家スクールソーシャルワーカー(SSW)の充実などを盛り込んだ。

いずれも、早ければ来年度中にも学校職員として法令に位置づけられる。

教員の負担を減らそうと、部活動に外部から指導者を招く学校が増え、中学の場合は約3万人。

だが、ほとんどが学校外の協力者で、顧問や土日の試合で校外への引率はできず、主に技術指導をしている。

学校職員である「指導員」として法令に明記し、顧問も引率も可能にする。

国際調査によると、日本の教員が部活指導に費やす時間は、中学が週7・7時間。
調査に参加した国の平均の3倍を上回る。
別の調査では、中学の運動部顧問の46%が、担当競技の経験がなかった。

■顧問・引率、教員の負担減

名古屋市は、「部活動指導員」と似た取り組みを2004年から始めた。

「的確な指導だけでなく、試合の引率も務めていただき助かっています」。名古屋市立吉根(きっこ)中の卓球部顧問、日比野佑哉教諭(31)は卓球の競技経験がない。

授業の準備もあり、放課後2~3時間の練習や、週末の試合全てを指導するのは難しいという。

それを支えるのが市教育委員会から派遣された外部顧問の小栗眞記子さん(62)だ。
実業団チームの元選手。
今年開校したばかりの吉根中で、男子卓球部を全国大会出場に導いた。

名古屋市は04年、指導者のいない部が廃止されないように「顧問派遣事業」を始めた。
「外部顧問」を非常勤職員として雇う。

15年度は全110校の市立中学のうち64校に、学生や実業団経験者ら96人を派遣した。
市教委スポーツ振興課の担当者は「生徒指導が必要な急な事案にも教諭が部活を気にせず対応できたり、教材研究に時間を充てたりできるようになった」と話す。

勤務は月20時間が上限で、報酬は月4万8千円。
今年度は約5500万円の予算を計上した。

各校の指導計画に沿う活動として校長の指示に従い、事故の際は、子どもと指導者双方に教員の指導時と同じ保険が適用される制度も整えた。

日本中学校体育連盟の今年度の調査では、運動部の外部指導者は全国に約3万人。
スポーツ庁によると、多くはボランティアなどで役割や責任があいまいだという。

担当者は「多忙な教員が多く、法令上の身分が明確になれば、指導や引率まで広く外部指導者に任せる学校が増えるだろう」と話す。

 一方で、質の維持が課題とされる。

東京都では12~14年度、公立中学12校の生徒計40人が、外部指導者から体罰を受けた。

剣道の竹刀で横面をたたかれて難聴になった▽野球のバットでおしりをたたいた――などだ。

早稲田大スポーツ科学学術院の作野誠一准教授は、「指導員への丸投げが横行すると教員の目が行き届かなくなり、勝利至上主義で行き過ぎた指導に陥りやすい。指導員向けの研修を設け、教員との緊密なコミュニケーションが必要だ」と話す。


・・・・・・・・・・
中教審の実際の議事録を見ると、
■教員間の世代格差・・・・20代が圧倒的に増えていることをふまえ、「教員の私生活も」民間並みに考えなければならない。

■課外活動を、社会教育のひとつとして、教員の手から、民間の人材活用に移行する


・・・などが、挙げられています。

以下、私見です。

・・・・地域の力で、学校の活性化。
総論賛成。
各論疑問

名古屋市の例を見ても、「勤務は月20時間が上限で、報酬は月4万8千円。」
時給にすると、2400円。

スポーツに限らず、音楽の世界でも、高い技術を持つ、若い外部指導者は必要とされています。

若い人は、これで、生活できるのか。と、思います。

さらに、記事にもあるように

●指導員への丸投げが横行すると、教員の目が行き届かなくなる。
●勝利至上主義で、行き過ぎた指導に陥りやすい。
●指導員向けの研修を設け、教員との緊密なコミュニケーションが必要

(早稲田大スポーツ科学学術院、作野誠一准教授)

これは、吹奏楽の世界にも、現在進行形で、問題になっている部分でもあります。

・・・・・・・
全国各地で行われている「指導者研修会」。
お招きいただくたびに思います。

誠実で、子どもを愛し、吹奏楽が得意であってもなくても、なんとかしようと、頑張っていらっしゃる先生方のなんと多いことか・・・と。

優秀で、教育的であり、現場と共に、誠実に子どもたちの為に頑張ろうと思っている、外部指導者の方々のなんと多いことか・・・と。

そして実情を拝聴するたびに思います。

行政は、お金の使いどころを間違っている。
教員のモチベーションの上げどころを、見誤っている。
・・・と。

巨視的に注目してゆきたい問題だと思っています。

★このことに関連した、様々な問題が、中教審では、審議されています。
議事録は、少々読みにくいですが、現場視点の発言もあり、こういう発言が、文科省に生かされることを願う気持ちです。
こちらからご覧ください。

文部科学省初等中等教育分科会議事録

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東京都出身。元、公立中学校教員。
現在は、フリーとして、音楽教育や吹奏楽に関わっています。
このブログを通じて、音楽や教育、吹奏楽やその他、心に感じた事柄をみなさまにお伝えできればと思います。
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